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誰がためにホイッスルは鳴る

欧州サッカー(特にセリエA、ブンデスリーガ)を中心に、ややマニアックな情報をお伝えしていきます。マニアックなあなたにお薦めのブログですよ!

放映権料約2,100億円をゲット!Jリーグよ、どう使う??

2016年7月20日に、Jリーグはイギリスのデジタルコンテンツ会社パフォーム・グループと放映権契約を結びました。その額なんと10年間で約2,100億円!単純に計算したとしても、年間約210億円の放映権収入を得る事になりました。Jリーグにそれだけの価値があるという事に驚きを隠せませんが、今となってはパフォーム・グループの採算性云々よりも、その年間約210億円の用途について考えるべきでしょう。

 

【210億円という金額の重さ】

 

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数多くのサポーターを擁する浦和レッズですら、収入は60億円に満たない

 

この210億円という金額ですが、日本のサッカー界ではどのくらいの重みとなるのでしょうか。2015年度の各Jクラブ収支を見てみると、最も収入を得たクラブである浦和でさえ、約58.5億円(営業利益は約2.1億円)です。J2で言えば、全クラブの収益合計約245億円を賄えてしまう程の金額なのです。

現在、Jリーグから各クラブへは、分配金としてJ1クラブで約2億円、J2クラブで約1億円前後の分配金が支給されています。この分配金の出所ですが、Jリーグライセンス料、放映権料等となっており、これを試合数などによって各クラブへ分配します。各クラブへの格差が生じない様な分配方式となっており、同じカテゴリーでも差額は多くても数千万円レベルとなっています。

 

 

Jリーグの発展につなげる、有効な使い途は?】

もっとも有効な使い途は何なのか。各クラブで分配金による有名選手補強と言うのは簡単すぎます。確かにC大阪ウルグアイ代表FWディエゴ・フォルランを呼んだのは大きな話題となり、観客数増加にも繋がりました。またアジアの有名選手を招聘し、アジア各国からの観光客を増やすという事で、官・民合同プロジェクトを立ち上げるのも良いかも知れません。

 

ただ、ここで敢えて提言したいのは、この予算を将来の日本サッカー発展の為に使ってみてはどうか、という事です。

 

今でこそ欧州だけでなく世界屈指の強豪へと復活したドイツ代表ですが、2000年のEUROでとてつもない程の屈辱を味わいました。これを契機に、彼らはとことん変化を求めて自己分析をすすめました。そして「タレント育成プロジェクト」を立ち上げ、ドイツ国内の「ラフ・ダイヤモンド」を見つけるべくシュトゥッツプンクト(トレセンの様なもの)をドイツ国内366拠点に設置し、またブンデスリーガの各クラブに登録選手の条件を厳格化するなど、若手選手の発掘・育成に多くの投資を行ったのです。その額、1,000億円以上とも言われています。

 

その甲斐あって、ドイツはメスト・エジルアーセナルイングランド)やトーマス・ミュラーバイエルン/ドイツ)、そしてヌリ・シャヒンドルトムント/ドイツ)の様な、今までのドイツ代表にはなかった個性的な才能の溢れる選手の発掘・育成に成功したのです。

 

Jリーグ全体の底上げを図る】

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今でこそ日本を代表する選手となった本田圭佑も、ジュニアユース年代で「篩(ふるい)」にかけられ、落とされた経緯を持つ。

 

 

このドイツのプロジェクトが、日本国内で成果を挙げられるのか、それは実行してみないと分かりません。ただ少なからず、有名選手を招聘する事による経済効果よりも、長期的な観点で日本のサッカーにとってプラスに働くのは間違い無いと言えます。

フィジカルの弱さを指摘された中村俊輔横浜M)や、スピードの遅さ等が致命的だった本田圭佑ミラン/イタリア)など、ユースに昇格できなかった選手に関しては、彼らの様にごく一部を除き、そのまま埋もれてしまう選手が大半を占めると言っても良いでしょう。

 

少しでも多くの「ラフ・ダイヤモンド」を輝かせるには、日本全体の育成システムの見直しから進めるのが最善であり、最も早い道の様に思えてなりません。